端株とは?単元未満株との違い・売り方・配当金・株主優待・SBI証券の手数料まで解説

端株の売り方は主に2種類

単元未満株を売却する代表的な方法は、次の2つです。

  • 証券会社の単元未満株サービスを使って売却する
  • 発行会社に単元未満株式の買取請求を行う

どちらを選んでも単元未満株を換金できますが、売却価格の決まり方、手数料、入金までの日数、手続き方法が異なります。

証券会社の単元未満株サービスで売却する方法

証券会社が単元未満株の売買サービスを提供していれば、パソコンやスマートフォンの注文画面から売却できます。

一般的な手順は次のとおりです。

  1. 証券口座へログインする
  2. 保有証券一覧から対象銘柄を選択する
  3. 単元未満株または1株取引の注文画面を開く
  4. 売却する株数を入力する
  5. 預り区分と約定予定時刻を確認する
  6. 取引パスワードを入力して注文する
  7. 注文照会で約定結果を確認する

単元未満株サービスでは、通常の100株単位の取引のように、リアルタイムで自由な指値注文を出せないことがあります。証券会社が決めた始値や終値などで約定する方式が一般的です。

画面に表示されている現在値と、実際の約定価格が一致するとは限りません。決算発表や重要なニュースで株価が大きく動いている場合は、発注時より不利な価格になる可能性があります。

SBI証券の端株サービス「S株」とは

SBI証券では、単元未満株を1株単位で売買できるサービスをS株と呼んでいます。

2026年7月29日時点では、東証のプライム・スタンダード・グロース市場に上場しているS株対象銘柄について、1株から買付・売却ができます。対象外の銘柄もあるため、個別銘柄画面の取扱情報を確認する必要があります。

SBI証券のS株の手数料

SBI証券のインターネットコースにおけるインターネット注文では、S株の買付手数料と売却手数料は0円で、売買価格に上乗せするスプレッドもないと案内されています。

ただし、注文方法や取引コースによって条件が異なります。カスタマーサービスセンターを通じた電話注文では、2026年7月29日時点で次の手数料が案内されています。

  • 約定代金の6.0%、税込6.6%
  • 最低手数料2,000円、税込2,200円

売却代金が最低手数料を下回るような少額注文では、受取金額が0円になる場合があります。端株の売却では、インターネット注文と電話注文の手数料差を必ず確認しましょう。

SBI証券のS株の注文時間と約定価格

東証上場の対象銘柄について、SBI証券は次の注文時間と約定タイミングを案内しています。

注文受付時間約定予定時刻約定価格
0時~7時当日9時当日前場の始値
7時~10時30分当日12時30分当日後場の始値
10時30分~14時当日15時30分当日後場の終値
14時~24時翌営業日9時翌営業日前場の始値

注文価格は「成行」と表示されますが、通常の成行注文のように発注後すぐに約定するわけではありません。上記の決められたタイミングで売買されます。

前場で値段が付かなかった注文は後場始値へ持ち越される場合があります。後場始値でも取引が成立しなかった場合は失効します。また、大引けがストップ配分になった場合、S株には配分されず、約定しないことがあります。

S株の注文は、注文受付時間内であれば取消しできますが、数量や内容の訂正はできません。変更したい場合は、注文を取り消した後に再発注します。

買取請求とは?市場で売る方法との違い

単元未満株式の買取請求とは、保有する単元未満株を発行会社が買い取るよう請求する制度です。会社法第192条に定められており、証券会社や株主名簿管理人を通じて手続きします。

証券会社の単元未満株サービスによる売却とは、次の点が異なります。

比較項目証券会社の売却サービス買取請求
取引相手証券会社または証券会社が取り次ぐ相手株式の発行会社
申込方法インターネットやアプリなど証券会社・信託銀行を通じた書面手続きなど
価格証券会社が指定する約定時点の価格会社の株式取扱規程などに基づく価格
入金時期通常の受渡日手続き完了まで数週間かかる場合がある
手数料証券会社のサービスによる取次手数料などがかかる場合がある

SBI証券では、単元未満株式の買取請求について、2026年7月29日時点で1銘柄当たり税込550円の取次手数料を案内しています。銘柄によっては、株主名簿管理人などの手数料が別に差し引かれる場合があります。

SBI証券の案内では、必要書類を受領してから入金までの目安は通常約2週間です。請求書が信託銀行などへ到着した日の終値を基準に算定されるため、申込時に売却価格を確定することはできません。

買取請求は取り消せないことがある

買取請求は、通常の市場注文のように簡単にキャンセルできる手続きではありません。会社法では、請求後の撤回について会社の承諾が必要になる場合があります。

書類を提出する前に、売却株数、手数料、価格の決定日、入金先を確認してください。

端株を買い増して100株にする方法

1単元が100株の銘柄を30株保有している場合、70株を追加購入すれば合計100株になります。100株に達した部分は通常の単元株となり、取引所で100株単位の売買ができるようになります。

買い増しの方法には、主に次の2つがあります。

  • 証券会社の単元未満株サービスで必要な株数を購入する
  • 発行会社の単元未満株式買増制度を利用する

証券会社のサービスで買い増す

1株単位で購入できるサービスなら、不足株数を指定して買い増せます。たとえば99株を保有している場合、同じ預り区分で1株購入すれば合計100株になります。

ただし、複数の証券会社やNISA・特定口座など異なる預り区分に分かれている株は、注文画面上で自動的に一つの100株注文として扱われない場合があります。

発行会社の買増制度を利用する

会社法上、企業は定款に定めることで、単元未満株主からの売渡請求、一般に買増請求と呼ばれる制度を設けられます。

30株を保有する株主が、発行会社へ70株を売り渡すよう請求し、合計100株にする仕組みです。ただし、すべての企業が買増制度を採用しているわけではありません。企業が売り渡せる自己株式を保有していない場合など、請求に応じられないこともあります。

SBI証券では、買増請求の取次手数料として、2026年7月29日時点で1銘柄当たり税込550円が案内されています。手続きには通常2~3週間程度かかるとされています。

権利確定日前などには受付停止期間が設けられることがあるため、株主優待や議決権の基準日に間に合わせたい場合は、早めに手続きを始めましょう。

端株を1株残せば長期保有認定される?

長期保有株主向けの優待では、同じ株主番号で一定回数以上、株主名簿に記録されていることを条件にする企業があります。このため、「1株だけ残しておけば株主番号が維持される」と紹介されることがあります。

しかし、1株を保有するだけで長期認定が保証されるわけではありません。

企業によって、長期保有の判定条件は次のように異なります。

  • 同一株主番号で連続して記録されていること
  • 各基準日に100株以上を保有していること
  • 一定期間、一度も100株を下回っていないこと
  • 年1回または年2回の株主名簿で確認できること
  • 特定の保有株数を一定期間継続していること

「権利確定日には100株、その他の期間は1株」という保有方法では、企業が求める条件を満たさない可能性があります。株主番号が同じでも、各基準日の保有株数が不足すれば長期優待の対象外になることがあります。

また、すべての株を一度売却した場合、証券会社間の移管、名義情報の変更、貸株サービスの利用状況などによって、株主名簿上の継続性に影響が出る可能性があります。

長期認定は企業が定める公式条件が最優先です。「端株を残せば必ず認定される」と判断せず、対象企業のIR情報にある継続保有条件を確認してください。

端株は少額でも相続財産です。さらに、証券コード9873は現在売買できないため、通常の端株とは異なる確認が必要です。