
端株を相続したときはどうする?
単元未満株や端数株式に関する権利も、原則として相続財産に含まれます。保有株数が100株未満だからといって、相続手続きや相続税の確認から除外してよいわけではありません。
証券口座で37株を保有していた場合、その37株も相続の対象です。相続人は、被相続人が利用していた証券会社へ連絡し、残高証明書や相続手続き書類を取り寄せます。
端株の相続手続きの基本的な流れ
- 被相続人が保有していた証券口座を確認する
- 証券会社や信託銀行へ死亡の連絡をする
- 残高証明書を取得する
- 遺言書または遺産分割協議により取得者を決める
- 戸籍謄本、本人確認書類などを提出する
- 相続人名義の証券口座へ株式を移管する
- 保有を続けるか、売却・買取請求を行う
株式が証券会社ではなく信託銀行などの特別口座に記録されている場合は、株主名簿管理人での手続きが必要です。売却前に、相続人名義の証券口座への振替を求められることもあります。
どの証券会社に株があるかわからない場合
被相続人が利用していた証券会社がわからない場合、証券保管振替機構へ登録済加入者情報の開示請求を行う方法があります。
この手続きにより、被相続人名義の上場株式などが記録されている証券会社や特別口座の開設先を確認できます。開示結果だけで保有銘柄や残高のすべてが判明するとは限らないため、確認できた口座管理機関へ改めて残高証明書を請求します。
1株を複数の相続人で分けることはできる?
証券口座では、通常、1株を0.5株ずつに分けて記録することはできません。複数人で均等に分けると1株未満の端数が生じる場合は、次のような方法が考えられます。
- 1人の相続人が株式を取得し、他の相続人へ代償金を支払う
- 株式を売却して現金で分ける
- 他の相続財産との組み合わせで取得額を調整する
遺産分割や税務上の扱いは、相続財産全体や相続人の状況によって異なります。判断が難しい場合は、司法書士、税理士、弁護士などの専門家へ確認してください。
端株の相続税評価
上場株式の相続税評価では、原則として被相続人が亡くなった日の最終価格を使用します。ただし、一定の条件のもとで、次の価格のうち最も低いものを選べます。
- 相続開始日の最終価格
- 相続開始日の属する月の最終価格の月平均額
- その前月の最終価格の月平均額
- その前々月の最終価格の月平均額
単元未満株であっても、評価した1株当たりの価格に実際の保有株数を掛けて相続財産へ計上します。未受領の配当金がある場合は、株式本体とは別に確認が必要になることがあります。
証券コード9873の端株とは?
証券コード9873は、かつて上場していた日本KFCホールディングス株式会社の証券コードです。
同社株式は2024年9月18日に東京証券取引所スタンダード市場を上場廃止となりました。そのため、2026年7月29日現在、証券コード9873の株式を取引所やSBI証券のS株で新規に売買することはできません。
上場廃止の理由は、特定の株主以外が保有する株式を1株未満の端数にする割合で株式併合が行われたためです。同社は2024年9月20日を効力発生日として、3,937,752株を1株に併合しました。
この株式併合によって一般株主の保有分は1株未満の端数となり、通常の上場株式として保有し続けるのではなく、会社法と会社が公表した手続きに基づいて金銭処理される対象となりました。
現在も9873が証券サイトに表示される理由
上場廃止後も、過去の株価、適時開示、企業情報を確認するため、金融情報サイトに9873のページが残ることがあります。しかし、過去の株価画面が表示されることと、現在売買できることは同じではありません。
「9873の端株が口座に残っている」「端数株式の代金を受け取ったかわからない」という場合は、当時利用していた証券会社または同社の株主名簿管理人へ確認してください。
旧住所のままになっていた場合や、相続手続きが終わっていない場合は、会社からの案内や金銭交付に関する書類を受け取れていない可能性があります。
端株を売却できない主な原因
証券会社が対象銘柄を取り扱っていない
すべての上場銘柄が単元未満株サービスの対象ではありません。上場廃止予定の整理銘柄、外国株式、一部の市場に上場する銘柄などは、買付または売却が制限されることがあります。
注文可能時間外になっている
単元未満株の注文受付時間は証券会社ごとに決められています。システムメンテナンスや株式分割・併合などの処理により、一時的に注文できない場合もあります。
売却注文や移管手続きで株が拘束されている
すでに売却注文を出している場合や、他社への移管、相続、貸株返却などの処理中は、売却可能株数が0株と表示されることがあります。
異なる預り区分に株が分かれている
NISA口座、特定口座、一般口座に同じ銘柄が分かれている場合、預り区分ごとに売却注文が必要です。合計株数が100株でも、一つの区分だけでは100株に満たないことがあります。
特別口座に記録されている
信託銀行などの特別口座にある株式は、通常の証券会社の取引画面から売却できません。株主名簿管理人へ買取請求を行うか、証券会社の口座へ振り替える必要があります。
端株を保有するメリット
- 1株から少額で株式投資を始められる
- 複数銘柄へ資金を分散しやすい
- 株価の高い企業にも少額で投資できる
- 保有株数に応じて配当金を受け取れる
- 定期的に買い増して単元株を目指せる
- 企業によっては単元未満株主向けの特典がある
一度に100株を購入せず、毎月少しずつ買い増す方法もあります。ただし、購入回数が増えるほど取得価格や取引履歴の管理が複雑になる場合があります。
端株を保有するデメリット
- 株主総会の議決権を行使できない
- 多くの株主優待は100株以上が対象になる
- リアルタイムの指値注文ができないことがある
- 発注時と約定時で株価が変わる可能性がある
- 証券会社によって対象銘柄や手数料が異なる
- 買取請求では手続きと入金に時間がかかる
- 少額でも株価下落による損失が生じる
1株から購入できることは、元本や利益が保証されることを意味しません。企業の業績悪化や上場廃止によって、株価が大幅に下がる可能性があります。
端株に関するよくある質問
端株は1株から売却できますか?
証券会社が単元未満株サービスを提供し、対象銘柄として取り扱っていれば、1株から売却できます。対象外の場合は、発行会社への買取請求を検討します。
端株を100株まで買い増すとどうなりますか?
同一銘柄を同じ口座・預り区分で合計100株保有すると、100株の部分は通常の単元株として扱われます。100株を超えた端数部分は、引き続き単元未満株として扱われます。
端株でもNISAで買えますか?
証券会社がNISA口座での単元未満株取引に対応し、対象銘柄が成長投資枠の対象であれば購入できます。SBI証券のS株はNISA成長投資枠での買付に対応しています。
端株を売った利益にも税金はかかりますか?
NISA口座以外では、単元株と同様に、売却益が発生すると原則として課税対象になります。特定口座の源泉徴収ありでは、通常、証券会社が税額を計算して徴収します。
端株を残せば株主番号は必ず変わりませんか?
必ず維持されるとは限りません。名寄せの状況、口座移管、登録情報、企業の株主名簿管理方法などによって扱いが異なります。また、株主番号が同じでも、長期優待に必要な株数条件を満たすとは限りません。
端株の買取請求と通常の売却はどちらがよいですか?
インターネットで低コストかつ比較的早く売却できる場合は、証券会社の単元未満株サービスが利用しやすいでしょう。サービス対象外の銘柄や特別口座の株式では、買取請求が必要になる場合があります。
株式分割で1株未満の端数が発生したらどうなりますか?
株式分割、株式併合、合併などで1株未満の端数が生じた場合は、端数をまとめて売却するなどの処理が行われ、株主へ保有割合に応じた金銭が交付されるのが一般的です。具体的な金額と支払時期は、企業の公式発表を確認してください。
まとめ|端株は「単元未満株」と「1株未満の端数」を区別しよう
端株は本来、1株に満たない端数を意味し、現在一般に1株から99株の株を指す場合の正式名称は単元未満株です。
単元未満株でも、配当の権利確定条件を満たせば、保有株数に応じた配当金を受け取れます。一方、株主総会の議決権は原則としてなく、多くの株主優待では100株以上の保有が必要です。
売却方法には、証券会社の単元未満株サービスと発行会社への買取請求があります。SBI証券のS株では、インターネットコースのインターネット注文について、2026年7月29日時点で買付・売却手数料が0円と案内されています。ただし、リアルタイムの自由な価格で売買できるわけではなく、指定された始値や終値で約定します。
長期保有優待は、1株を残すだけで必ず認定されるものではありません。相続した端株も相続財産に含まれるため、証券会社や信託銀行で正式な手続きを行う必要があります。
証券コード9873の日本KFCホールディングス株式は、2024年9月18日に上場廃止となっており、現在は通常の端株取引の対象ではありません。過去の端数株式処理について確認が必要な場合は、当時の証券会社や株主名簿管理人へ問い合わせましょう。
※本記事は2026年7月29日時点で確認できる公開情報を基に、国内株式の一般的な制度を解説したものです。特定銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。手数料、注文時間、対象銘柄、株主優待、配当、買増請求の条件は変更される場合があるため、実際の取引前に証券会社および発行会社の最新情報をご確認ください。相続税や遺産分割については、必要に応じて税理士、司法書士、弁護士などへご相談ください。
<参考サイト>日本取引所グループ(JPX)/e-Gov法令検索/国税庁/証券保管振替機構/SBI証券/三菱UFJ信託銀行/三井住友信託銀行/日本KFCホールディングス株式会社

