現渡とは?読み方・やり方・利益と差額・SBI証券の注文時間・失敗例まで徹底解説

現渡はいつ行う?基本となるタイミング

現渡は、証券会社が指定する返済期限までの間に、必要な現物株を保有し、注文可能な状態であれば行えます。ただし、最適なタイミングは取引の目的によって異なります。

通常の信用売りを決済する場合

株価の下落を見込んで信用売りを行い、別途取得した現物株で返済する場合は、次の点を比較してタイミングを判断します。

  • 信用売りの返済期限
  • 貸株料や品貸料などの保有コスト
  • 保有している現物株を手放してよいか
  • 市場で買い戻した場合の価格と費用
  • 現渡によって確定する譲渡損益

現渡を先延ばしにすると、貸株料などが日数に応じて増える場合があります。一方、現渡すると現物株を手放すため、将来の値上がりや配当を受ける機会も失います。

株主優待のつなぎ売りで現渡する場合

株主優待のつなぎ売りでは、現物買いと信用売りを同じ銘柄・同じ株数で行い、株価変動による損益を相殺しやすい状態を作ります。

株主優待の権利を取得するには、権利付き最終売買日の終了時点まで現物株を保有し、権利落ち日を迎える必要があります。そのため、権利付き最終売買日の取引終了前に現渡すると、現物株を手放したことになり、優待や配当の権利を取得できません。

SBI証券は、つなぎ売りの現渡について、権利付き最終売買日の16時以降から返済期限内に手続きするよう案内しています。一般的には、権利落ち日に現渡する方法がわかりやすく、誤操作を防ぎやすいでしょう。

権利付き最終日の場中に現渡するのは失敗

権利付き最終売買日に現物株と信用売建玉を保有していても、取引終了前に現渡を成立させると、権利取得に必要な現物株を保有していない状態になります。

東証の現物株取引は15時30分までですが、証券会社の現渡締切や処理時刻とは一致しないことがあります。「市場が閉まる直前だから大丈夫」と自己判断せず、証券会社が案内する現渡可能日と受付時間を確認してください。

現渡注文の一般的なやり方

画面名は証券会社によって異なりますが、基本的な手順は次のとおりです。

  1. 証券口座へログインする
  2. 信用建玉一覧を開く
  3. 現渡したい信用売建玉を選ぶ
  4. 返済方法から「現渡」を選択する
  5. 現渡する株数と対象建玉を指定する
  6. 注文内容、諸経費、返済期限を確認する
  7. 取引パスワードなどを入力して注文する
  8. 注文照会や約定履歴で処理状況を確認する

複数回に分けて信用売りしている場合は、建玉ごとに建値や保有期間が異なります。どの建玉を現渡するかによって諸経費や受渡金額が変わるため、建玉の指定を間違えないようにしましょう。

SBI証券で現渡するやり方

SBI証券では、信用建玉一覧から対象となる売建玉を選び、現渡注文を行います。SBI証券の現渡注文は建玉指定方式で、一つの建玉の一部だけを現渡することも可能です。

SBI証券の基本的な操作手順

  1. ログイン後、国内株式の信用建玉一覧を開く
  2. 現渡する銘柄の売建玉を選択する
  3. 取引欄から「現渡」を選ぶ
  4. 現渡株数を入力する
  5. 預り区分や対象建玉を確認する
  6. 注文確認画面で銘柄・数量・約定日を再確認する
  7. 取引パスワードを入力して発注する
  8. 注文照会または当日約定一覧で確認する

画面の表示や操作方法は変更される可能性があります。実際の注文時は、SBI証券の最新ヘルプと注文確認画面を優先してください。

SBI証券の現渡注文は何時まで?

2026年7月29日時点で、SBI証券は現渡注文の時間を次のように案内しています。

  • 営業日の0時から16時まで:当日注文として取り扱い、当日に約定
  • 営業日の16時以降:翌営業日注文として取り扱い、翌営業日に約定

営業日の16時から翌営業日の6時30分までに発注した翌営業日扱いの注文は、原則としてその時間内に取消可能です。一方、営業日の6時30分から16時までに発注し、当日約定の処理対象となった現渡注文は取消できません。

株式分割や株式併合などのコーポレートアクションが発生する銘柄では、権利付き最終売買日の16時から、夕方の値洗い処理が終わる18時ごろまで、現渡注文を受け付けない場合があります。

日計り信用の現渡にも16時の締切がある

SBI証券の日計り信用取引は、新規建日の当日が返済期限です。現引・現渡注文の締切は新規建日の16時と案内されています。期限までに決済しなかった場合は、翌営業日に証券会社のルールに基づく強制返済の対象となることがあります。

SBI証券の現渡手数料はいくら?

SBI証券では、現引・現渡そのものに株式委託手数料はかかりません。ただし、現渡をすれば費用がすべて0円になるわけではありません。

現渡時には、信用売りの新規建時に発生した手数料や、保有中の貸株料、制度信用取引の品貸料、権利処理に関係する費用などがまとめて精算されます。

SBI証券が案内する現渡精算金額の基本式は次のとおりです。

現渡精算金額=建単価×現渡株数-諸経費

さらに、特定口座の源泉徴収などによって譲渡益税が発生する場合は、税額が差し引かれることがあります。

「売買手数料0円」と「取引コスト0円」は違う

SBI証券の国内株式手数料無料サービスの対象になっている場合でも、貸株料や品貸料、HYPER料などは別の費用です。一般信用売りを早い時期に建てると在庫を確保しやすくなる場合がありますが、保有日数が長くなる分、貸株料も増えます。

制度信用売りでは、株不足によって品貸料、いわゆる逆日歩が発生する可能性があります。逆日歩は事前に最終金額が確定しているとは限らないため、株主優待の価値を上回る費用が発生する場合もあります。

現渡とPTSの関係

PTSは私設取引システムで株式を売買する市場であり、現渡は信用売建玉を現物株で返済する口座内の決済手続きです。現渡注文そのものをPTSへ発注し、PTSの株価で約定させるわけではありません。

SBI証券の現渡注文は、PTSの現物取引時間とは別に、現渡注文の受付時間に従って処理されます。PTSで株を購入した直後に現渡できるかどうかは、約定日・受渡日・預り残高への反映状況などに左右されます。

SBI PTSでは、デイタイム・セッションとナイトタイム・セッションで受渡日の数え方が異なります。夜間PTSで取得した株を翌営業日にすぐ現渡できるとは限らないため、注文画面で現渡可能数量を確認し、表示されない場合は証券会社へ問い合わせるのが安全です。