為替介入とは?2026年の最新状況、実施時期、金額、効果と株価への影響を解説

為替介入の時間帯|過去にはいつ実施された?

外国為替市場は、東京、ロンドン、ニューヨークなどの市場が順番に開くため、平日はほぼ24時間取引されています。為替介入も、日本時間の昼間に限定されません。

過去には、次のように異なる時間帯で介入とみられる急変が確認されています。

  • 日本銀行の金融政策決定会合後の東京市場
  • 日本の祝日で市場参加者が少ない時間帯
  • ロンドン市場が開いている夕方から夜
  • ニューヨーク市場が開いている日本時間の深夜
  • 米国の物価統計などが発表された直後
  • 日本時間の早朝

日本銀行は、財務大臣の指示に基づき、海外の通貨当局へ介入を委託することもできます。そのため、日本の金融機関が営業している時間だけが実施可能な時間帯ではありません。

財務省は介入時刻を公表していない

財務省が四半期ごとに公表する日次資料には、実施日、金額、売買通貨が掲載されますが、通常は実施した時刻まで掲載されません。

ニュースで示される「午後○時ごろに介入した可能性」という情報は、その時間に発生した相場の急変、取引量、金融機関への照会などを基にした推定です。

過去に特定の時間帯で実施されたからといって、次回も同じ時間に行われるとは限りません。市場参加者の予想を外すこと自体が、介入の効果を高める要素になる場合があります。

覆面介入とは?実施をすぐに認めない方法

覆面介入とは、介入を行った直後に政府が実施を明らかにしない方法を指す一般的な呼び方です。「ステルス介入」と表現されることもあります。

相場が急変して記者から質問を受けても、財務当局が介入の有無について「コメントしない」と回答する場合があります。実施したかどうかを明らかにしないことで、市場参加者に警戒感を持たせる狙いがあると考えられます。

ただし、覆面介入であっても永久に非公開になるわけではありません。財務省は介入総額を月次で公表し、日別の金額と売買通貨を四半期ごとに公表します。

レートチェックと為替介入の違い

レートチェックとは、通貨当局が金融機関に現在の為替レートや取引状況を問い合わせる行為です。介入実務の準備として行われる可能性があるため、市場では警戒材料になります。

しかし、レートチェック自体は通貨の売買ではありません。レートチェックが行われても、その後に介入が実施されない場合があります。

名称内容実際の通貨売買
口先介入当局者が市場をけん制する発言を行うなし
レートチェック金融機関に為替レートなどを問い合わせるなし
実弾介入市場で円や外貨を実際に売買するあり
覆面介入実弾介入後も直ちに実施を認めないあり

日本の為替介入の歴史

日本の為替介入は、その時代の経済環境に応じて、円高を抑える円売り介入と、円安を抑える円買い介入の両方が行われてきました。

1998年|円安を抑える円買い介入

アジア通貨危機などを背景に円安が進んだ1998年、日本は円買い介入を実施しました。その後、2022年まで円買い介入は行われませんでした。

2003年から2004年|大規模な円売り介入

円高を抑えるため、大規模な円売り・外貨買い介入が繰り返されました。介入によって取得した外貨は、外貨準備の一部として外貨建て債券などで運用されます。

2010年と2011年|急激な円高への対応

2010年には円高を抑える単独介入が行われました。2011年3月には東日本大震災後の急激な円高を受け、日本、米国、欧州などによる協調介入が実施されました。

2022年|24年ぶりの円買い介入

急速な円安を受け、2022年9月22日に2兆8,382億円の円買い介入が行われました。さらに10月21日と24日にも実施され、2022年の円買い介入額は合計9兆1,881億円となりました。

2024年|過去最大規模の円買い介入

2024年4月29日に5兆9,185億円、5月1日に3兆8,700億円の円買い介入が行われ、2日間の合計は9兆7,885億円でした。

同年7月11日には3兆1,678億円、7月12日には2兆3,670億円が実施されました。2024年の円買い介入額は、合計15兆3,233億円です。

2026年|月次総額11兆7,349億円を公表

財務省は、2026年4月28日から5月27日までの外国為替平衡操作額として11兆7,349億円を公表しました。

この金額は1か月の集計期間における総額です。2026年7月27日時点では、具体的な実施日、日別金額、売買通貨が未公表であるため、過去の介入と同じ形式で日別比較を行うことはまだできません。

時期主な方向公表された金額
2022年9月・10月外貨売り・円買い合計9兆1,881億円
2024年4月・5月外貨売り・円買い合計9兆7,885億円
2024年7月外貨売り・円買い合計5兆5,348億円
2026年4月28日から5月27日日次詳細は未公表11兆7,349億円

為替介入の発表スケジュール

介入が行われた可能性がある日に、政府が直ちに正式発表するとは限りません。確定情報は財務省の定期公表で確認します。

月次公表

一定の約1か月間に実施された介入の総額が公表されます。介入がなければ0円と表示されます。

2026年7月27日時点で公表されている次回予定は、次のとおりです。

  • 2026年7月31日午後7時:2026年6月29日から7月29日までの月次総額
  • 2026年8月28日午後7時:2026年7月30日から8月26日までの月次総額

四半期公表

3か月ごとに、実施日、日ごとの金額、売買通貨が公表されます。2026年4月から6月までの日次資料は、2026年8月3日から7日までの公表が予定されています。

公表予定は変更される場合があるため、最終的には財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」で確認する必要があります。

介入で数円の円高が進んでも、その効果が短期間で薄れることがあります。次のページでは、効果が続かない理由、原資、利益、税金、株価への影響を解説します。