
円相場が短時間で大きく動くと、「為替介入はいつ行われるのか」「過去には何時ごろ実施されたのか」といった疑問が生じます。為替介入は、政府が事前に日時や判断基準を公開して実施する制度ではありません。また、相場を恒久的に特定の水準へ固定する政策でもありません。本記事では、為替介入の仕組み、2026年の最新実績、実施される可能性を考える際のポイント、過去の金額、覆面介入、原資、利益や税金、株価への影響、公表スケジュールまで、確定情報と市場の推測を分けて解説します。
この記事の目次
- 為替介入とは何か、誰が決定するのか
- 円買い介入と円売り介入の仕組み
- 2026年の為替介入実績と最新状況
- 為替介入はいつ行われるのか
- 過去の時間帯、歴史、金額
- 覆面介入と公表スケジュール
- 効果が続く期間と失敗に見える理由
- 原資、利益、税金、株価への影響
2026年7月27日時点の重要事項
財務省は、2026年4月28日から5月27日までの外国為替平衡操作額を11兆7,349億円と公表しています。一方、5月28日から6月26日までの操作額は0円でした。4月から6月までの具体的な実施日、日ごとの金額、売買通貨は、2026年8月3日から7日までに公表される予定です。
為替介入とは?政府が通貨を売買して相場の安定を図る政策
為替介入とは、通貨当局が外国為替市場で円や米ドルなどを売買し、為替相場に影響を与える政策です。正式名称は外国為替平衡操作です。
財務省は、為替相場が短期間に大きく変動したり、経済の基礎的な条件から離れた不安定な動きを示したりすることは好ましくないとして、相場の安定を目的に介入を行う場合があると説明しています。
日本では、為替介入を実施するかどうかを決定する権限は財務大臣にあります。日本銀行が金融政策の一環として独自に決めるわけではありません。
日本銀行は、財務大臣の指示を受けた代理人として、市場での注文や資金決済などの実務を担当します。
為替介入と金融政策は別のもの
日本銀行が政策金利を変更する金融政策と、政府が通貨を直接売買する為替介入は別の政策です。
- 為替介入:財務大臣が決定し、日本銀行が代理で実行する
- 金融政策:日本銀行の政策委員会が決定する
ただし、金利は為替相場に大きな影響を与えます。為替介入で一時的に円高が進んでも、国内外の金利差などが変わらなければ、再び元の方向へ動く場合があります。
円買い介入の仕組み|米ドルを売って円を買う
急速な円安を抑えたい場合には、一般的に外貨売り・円買い介入が行われます。
- 政府が保有する外貨建て債券などを売却し、米ドルなどの外貨を用意する
- 外国為替市場で外貨を売る
- 代わりに日本円を買う
- 円の需要が増えることで、円高方向への圧力が生じる
外国為替市場では「米ドルを売って円を買う」という一つの取引として行われます。大量の売買注文が出ると、短時間でドル円相場が数円動くこともあります。
円売り介入の仕組み|円を売って外貨を買う
急速な円高を抑えたい場合には、円売り・外貨買い介入が行われます。
- 政府が政府短期証券を発行して円資金を調達する
- 外国為替市場で円を売る
- 米ドルなどの外貨を買う
- 取得した外貨を外貨建て債券などで運用する
日本では1990年代後半から2000年代にかけて、急激な円高を抑えるための円売り介入が多く行われました。近年は円安局面が注目され、外貨売り・円買い介入が中心になっています。
2026年の為替介入|最新の公表内容
| 対象期間 | 財務省の公表額 | 2026年7月27日時点の状況 |
|---|---|---|
| 2026年1月から3月 | 0円 | 日次ベースでも介入なし |
| 2026年4月28日から5月27日 | 11兆7,349億円 | 月間の総額を公表 |
| 2026年5月28日から6月26日 | 0円 | 介入なし |
| 2026年6月29日から7月29日 | 未公表 | 7月31日午後7時に公表予定 |
2026年4月末から5月にかけては、円安を抑える円買い介入が行われたとの見方が市場で広がりました。財務省の月次資料によって介入総額は確認されましたが、2026年7月27日時点では、正式な実施日と日別金額はまだ公表されていません。
具体的な内容は、2026年4月から6月までの日次ベース資料で判明する予定です。公表前に報じられる実施時刻や回数は、為替相場の急変や日本銀行の資金需給データなどを基にした市場の推定であり、政府の確定情報とは区別する必要があります。
為替介入はいつ行われる?事前に決まった水準や時間はない
日本政府は「1ドルが○円になれば必ず介入する」という基準を公表していません。介入の可能性は為替レートの数字だけでは判断できず、主に次のような要素が総合的に考慮されるとみられます。
- 短期間における値動きの大きさ
- 一方向へ急速に動いているか
- 投機的な売買が増えているか
- 経済の基礎的条件から離れているか
- 市場の流動性が低下していないか
- 企業活動や家計に大きな影響が及んでいるか
- 米国など海外当局との意思疎通
同じ1ドル160円でも、数か月かけて緩やかに動いた場合と、数時間で数円動いた場合では、当局の受け止めが異なる可能性があります。
2026年に再介入する可能性はある?
2026年7月24日には、財務当局が為替相場の動向を注視し、必要な場合には行動する姿勢を改めて示したと報じられました。
ただし、当局者の発言があっても、介入が決定したことを意味するわけではありません。発言によって投機的な取引を抑える口先介入にとどまることもあります。
介入の日時、為替水準、金額を事前に正確に予測することはできません。特定のレートに到達しただけで介入が確実に行われるという情報には注意が必要です。
実は、過去の介入は東京市場の昼間だけでなく、祝日や深夜、海外市場の時間帯にも行われてきました。予測を難しくする時間帯と覆面介入の仕組みを次のページで解説します。


