成長株とは?見つけ方・スクリーニング・PER・NISA・割安株との違いを2026年版で徹底解説

成長株の見つけ方|まず「業績の伸び」を確認する

成長株探しで最初に確認したいのは株価チャートではなく、企業そのものが成長しているかどうかです。

1.売上高が継続的に伸びているか

売上高は、企業の商品やサービスがどれほど利用されているかを見る基本的な指標です。単年度だけ急増している会社よりも、複数年度にわたり売上高が増加しているか確認すると、成長の持続性を判断しやすくなります。

ただし、企業買収などによって売上高が急増していることもあるため、増収理由まで決算説明資料等で確認することが大切です。

2.営業利益・純利益・EPSも伸びているか

売上高が増えていても、費用がそれ以上に増えれば利益は残りません。成長株を判断する際は、売上高だけでなく営業利益や純利益の推移も確認します。

さらに株主の立場では、EPS(1株当たり利益)も重要です。増資などで発行済株式数が大きく増えると、会社全体の利益が伸びても1株当たり利益の成長が弱くなる場合があるからです。

3.ROEで資本の効率を見る

ROE(自己資本利益率・純資産利益率)は、企業が株主から預かった資本をどの程度効率的に使って利益を上げているかを見る指標です。

日本取引所グループの株価検索では、ROEを「当期純利益÷期首・期末純資産の平均×100」で算出する指標として説明しています。

ただし、ROEは負債の増加や自己資本の減少によって高くなるケースもあるため、ROEだけで優良企業と判断するのではなく、財務状態と併せて確認します。

4.キャッシュフローも確認する

利益が増えていても、実際の資金が十分に生み出されているとは限りません。成熟した黒字企業を見る場合は、営業活動によるキャッシュフローが安定してプラスになっているかも確認材料になります。

一方、事業立ち上げ期の成長企業は先行投資によってキャッシュフローがマイナスになることがあります。その場合は、「なぜ資金流出が起きているのか」「手元資金で事業を継続できるか」まで確認する必要があります。

5.会社予想と実績の差を見る

成長率の高い企業でも、将来予想がすでに株価へ織り込まれている場合があります。直近の決算で会社計画に対して順調に進んでいるか、業績予想の上方修正・下方修正が行われていないかも重要です。

最新情報は企業のIR資料だけでなく、TDnetに掲載される決算短信や業績予想修正などの適時開示でも確認できます。

成長株スクリーニング条件|最初の候補を絞る例

スクリーニングとは、多数の上場企業から一定条件に該当する銘柄を機械的に絞り込む方法です。ただし、以下は成長株を定義する公式条件ではなく、候補企業を探すための一例です。

  • 売上高が複数期で増加傾向にある
  • 営業利益またはEPSが中長期的に増加している
  • 会社予想でも増収・増益が見込まれている
  • ROEが安定している、または改善傾向にある
  • 営業キャッシュフローと利益の関係に大きな違和感がない
  • 借入金などが利益・キャッシュ創出力に対して過度に増えていない
  • PERを同業他社や自社の過去水準と比較して確認する

「売上成長率20%以上」「ROE15%以上」といった固定数値を設定する方法もありますが、適切な水準は業種や企業の成長段階によって異なります。数値だけを機械的に当てはめるよりも、同業他社と比較することが大切です。

成長株のPERはどう見る?「高い=危険」とは限らない

PERの計算方法

PER(株価収益率)は、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを見る指標です。

PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

日本取引所グループでもこの計算式が示されており、PERが高いほど現在の利益に対して株価が高く、低いほど相対的に株価が低いことを示す指標として説明されています。

成長株はPERが高くなりやすい

将来の利益拡大が期待されている企業は、その期待が現在の株価へ反映されるため、PERが市場平均より高くなることがあります。

したがって、PER30倍の企業とPER10倍の企業を比較して、単純に「10倍の方が安全で割安」と結論付けることはできません。利益の成長率や業種、財務状態などが違うためです。

高PER株で重要なのは「期待を実現できるか」

成長株を見るときは、PERそのものよりも、現在の株価が前提としている高い成長を企業が実現できるかを考える必要があります。

たとえば、非常に高い利益成長を期待されてPERが上昇している企業では、利益自体が増えたとしても、市場予想を下回れば株価が下落することがあります。業績が良い会社と、その株式が現在の価格で魅力的かどうかは別の問題です。

成長株をNISAで買うことはできる?

2026年8月時点のNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。

金融庁によると、現在のNISAは次の枠組みです。

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円
  • 両枠合計の非課税保有限度額:1,800万円
  • 成長投資枠部分の非課税保有限度額:1,200万円
  • 非課税保有期間:無期限

「成長投資枠=成長株専用」ではない

名称が似ているため混同されやすいのですが、NISAの成長投資枠は「成長株だけを買う枠」ではありません。

成長投資枠では、一定の除外条件に該当しない上場株式や投資信託、ETF、REITなどが対象になります。そのため、割安株や高配当株も対象商品であれば購入できます。

金融庁は、成長投資枠について、整理・監理銘柄や、信託期間20年未満・毎月分配型・一定のデリバティブ取引を利用する投資信託などを対象外としています。

NISAなら損失も有利になるわけではない

NISA口座で得た一定の配当や売却益は非課税になる一方、NISA口座内で発生した売却損は税務上「ないもの」とみなされます。

そのため、NISAで成長株を購入して損失が出ても、課税口座の上場株式等の利益や配当との損益通算や、譲渡損失の繰越控除はできません。

NISAには大きな非課税メリットがありますが、「NISAだから値下がりしても問題ない」わけではありません。次ページでは、投資信託を使う方法や成長株投資のリスク、「成長株で億万長者」という考え方まで整理します。