TOPIX銀行指数とは?構成銘柄・金利上昇の影響・ETF・TOPIXとの違いを解説

TOPIX銀行指数は、日本の銀行株全体の値動きを確認するために利用される代表的な業種別株価指数です。ただし、正式名称、リアルタイム値と配当込み指数の違い、構成銘柄の比率、金利上昇が銀行業績へ与える影響を理解せず、指数の上昇だけで銀行株の将来性を判断することはできません。本記事では、TOPIX銀行業指数の仕組み、過去チャート、PBR、配当利回り、連動ETFに加え、TOPIX、日経平均、TOPIXバリュー指数、TOPIXグロース指数、高配当指数との違いまで中立的に解説します。

TOPIX銀行指数や日本株の値動きを示す金融市場のチャート
銀行株と日本株市場のイメージ画像(Unsplash)

この記事の目次

  • TOPIX銀行指数の正式名称と仕組み
  • リアルタイム値と配当込み指数の違い
  • 構成銘柄と上位銘柄の比率
  • 過去チャートと最高値を見る際の注意点
  • 金利上昇が銀行株へ与える影響
  • PBR1倍割れと配当利回りの見方
  • TOPIX銀行指数に連動するETF
  • TOPIXと日経平均、VIXの違い
  • TOPIXバリュー・グロース・高配当指数の特徴

データの確認時点

本記事の指数構成、PBR、PER、ROE、配当利回りなどは、原則として2026年6月30日時点のJPX総研ファクトシートを参照しています。指数値、構成比率、株価指標は市場の値動きや定期見直しによって変化します。

TOPIX銀行指数とは?銀行株全体の動きを示す業種別指数

一般に「TOPIX銀行指数」や「TOPIX銀行業指数」と呼ばれている指数の正式名称は、東証業種別株価指数・銀行業です。

東京証券取引所が定める33業種のうち「銀行業」に分類され、TOPIXの構成銘柄になっている企業を対象とします。メガバンク、地方銀行、ゆうちょ銀行など、日本の上場銀行株の値動きをまとめて確認できる指数です。

TOPIXそのものとは対象範囲が異なる

TOPIXは、幅広い日本企業を対象とする市場全体の指数です。一方、TOPIX銀行指数は、その中から銀行業だけを取り出した業種別指数です。

指数主な対象特徴
TOPIX日本株市場を広く構成する企業市場全体の値動きを表す
東証業種別株価指数・銀行業TOPIX構成銘柄のうち銀行業銀行株全体の値動きを表す
TOPIX-17銀行TOPIX-17シリーズの銀行区分17業種分類を利用した別の指数系列

東証業種別株価指数・銀行業とTOPIX-17銀行は、どちらも銀行株を対象としますが、基準日や指数系列が異なります。ETFを比較する際は、商品名だけでなく、連動対象となる正式な指数名を確認することが重要です。

TOPIX銀行指数の計算方法

TOPIX銀行指数は、浮動株調整後時価総額加重型で計算されます。

時価総額が大きく、市場で実際に流通すると見込まれる株式数が多い企業ほど、指数に与える影響が大きくなります。構成銘柄を同じ金額ずつ組み入れる指数ではありません。

浮動株調整後時価総額=株価×発行済株式数×浮動株比率

親会社や創業者、政策保有株主などが長期保有し、市場で売買されにくい株式については、浮動株比率によって調整されます。

基準値は1992年1月6日の1000

価格指数は、1992年1月6日の時価総額を1000として算出されています。現在の指数値は、基準日から銀行株全体の時価総額がどのように変化したかを示すものです。

指数が700の場合に「銀行株の平均株価が700円」という意味にはなりません。指数値は、複数の銘柄を一定の計算方法でまとめた比較用の数値です。

TOPIX銀行指数のリアルタイム値はどこで確認できる?

東証業種別株価指数・銀行業の価格指数は、取引時間中に15秒間隔で算出・配信されています。日本取引所グループのリアルタイム株価指数ページや、証券会社の取引画面、金融情報サービスなどで確認できます。

ただし、サービスによって次のような違いがあります。

  • リアルタイム表示か、一定時間遅れた表示か
  • 取引時間中の価格指数か、終値だけか
  • 配当を含まない指数か、配当込み指数か
  • 日足、週足、月足のどのチャートか

ニュースやチャートを比較する場合は、同じ種類の指数を見ているかを確認する必要があります。

価格指数と配当込み指数の違い

TOPIX銀行指数には、主に価格指数と配当込み指数があります。

指数の種類配当の扱い主な用途
価格指数配当を含めない日々の株価変動を確認する
配当込み指数配当を再投資したと仮定する長期的な投資成果を比較する

銀行株は配当を行う企業が多いため、長期間の成果を価格指数だけで見ると、株主が受け取る配当分が反映されません。

ETFの運用成果や長期チャートを比べる場合は、連動対象が価格指数か配当込み指数かをそろえることが大切です。

TOPIX銀行指数の構成銘柄と比率

2026年6月30日時点の東証業種別株価指数・銀行業は、69銘柄で構成されています。指数全体の時価総額は約131兆6068億円です。

上位構成銘柄と指数内の比率は、次のとおりです。

順位構成銘柄構成比率
1三菱UFJフィナンシャル・グループ31.11%
2三井住友フィナンシャルグループ21.27%
3みずほフィナンシャルグループ16.56%
4ゆうちょ銀行5.12%
5りそなホールディングス3.97%
6三井住友トラストグループ3.21%
7横浜フィナンシャルグループ1.39%
8千葉銀行1.12%
9しずおかフィナンシャルグループ1.02%
10めぶきフィナンシャルグループ1.01%

上位3社だけで約69%を占める

上位3社の合計比率は約68.94%です。構成銘柄数は69銘柄ありますが、指数の値動きは大手金融グループの株価に強く影響されます。

地方銀行株が上昇していても、メガバンク3社が下落すれば指数全体が下がることがあります。反対に、多くの地方銀行が下落しても、大手3社の上昇によって指数が上がる場合があります。

TOPIX銀行指数の過去チャートと最高値

公式の長期チャートを見ると、銀行指数は1990年代前半の高い水準から長期間低迷し、金融危機や低金利政策などの影響を受けてきました。その後、2022年以降は国内金利の正常化への期待などを背景に、大きく回復しています。

2026年6月末時点では近年の高値圏にありますが、基準値1000に近かった1990年代前半の水準を上回ったとはいえません。

「最高値」という表現を見る場合は、次のどの基準なのかを確認してください。

  • 取引時間中の最高値か、終値の最高値か
  • 年初来高値か、数十年ぶりの高値か
  • 価格指数か、配当込み指数か
  • 公表開始以降の最高値か、特定期間内の高値か

配当込み指数は配当の再投資を反映するため、価格指数とは異なる水準と推移になります。

銀行指数は「金利が上がれば必ず上昇する」とは限りません。利益を押し上げる要因と、反対に業績を圧迫する要因を次のページで整理します。