
株式投資で利益や配当を受け取っても、すべての人が確定申告をするわけではありません。特定口座の源泉徴収あり、源泉徴収なし、一般口座、NISAでは、税金の納め方や申告の要否が異なります。また、確定申告が不要な場合でも、損益通算や損失の繰越控除を利用するため、あえて申告した方がよいケースがあります。本記事では、株式投資の税率、確定申告が不要な人、経費、配当控除、e-Taxの書き方、会社や国民健康保険料への影響まで、2026年7月27日時点の制度に基づいて解説します。
この記事の目次
- 株式投資の利益にかかる税金
- 確定申告が不要な人と必要な人
- 特定口座と一般口座の違い
- 株式投資の損失と損益通算
- NISA口座の確定申告
- 株式配当の申告方法と配当控除
- 株式投資で経費にできる費用
- 確定申告が会社に分かる可能性
- e-Taxによる申告書の作り方
- 国民健康保険料への影響
2026年の確定申告について
2026年2月16日から3月16日までに行われた所得税の確定申告は、原則として2025年1月1日から12月31日までの取引が対象です。2026年中に発生した株式の利益や損失は、原則として2027年に申告します。2026年分の所得税の法定申告・納付期限は2027年3月15日です。
株式投資の税金はいくら?基本税率は20.315%
個人が上場株式を売却して得た利益には、原則として20.315%の税金がかかります。
| 税金 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 15% |
| 復興特別所得税 | 0.315% |
| 住民税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
税金は株式の売却代金全体ではなく、売却益に対して計算されます。
株式の譲渡所得等=売却金額-取得費-売却手数料など
例えば、100万円で購入した株式を130万円で売却し、売買に関する手数料が1万円だった場合、課税対象となる利益は29万円です。
130万円-100万円-1万円=29万円
税率を20.315%として単純計算すると、税額は約5万8913円です。実際には、同じ年のほかの株式取引や源泉徴収額などによって最終的な金額が変わります。
株式投資の税金はいつ支払う?
税金を支払う時期は、利用する口座によって異なります。
特定口座の源泉徴収あり
株式を売却して利益が出ると、証券会社が所得税等と住民税を源泉徴収します。同じ口座内で後から損失が出た場合は、年内の取引について証券会社が税額を調整することがあります。
原則として、投資家が確定申告によって改めて税金を支払う必要はありません。
特定口座の源泉徴収なし・一般口座
証券会社から税金が天引きされないため、確定申告が必要となる場合は、申告期限までに所得税等を納付します。住民税は申告内容を基に自治体が計算します。
配当金
上場株式の配当は、通常、支払い時に20.315%が源泉徴収されます。一定の配当は、確定申告をせず、源泉徴収だけで納税を完了させることができます。
株式投資の確定申告が不要な人
主に次のケースでは、所得税の確定申告が不要となる可能性があります。
- 特定口座の源泉徴収ありだけで取引し、申告する損失や配当がない
- NISA口座内の売却益だけを得た
- 上場株式の配当について確定申告不要制度を選択する
- 給与所得者の20万円以下の所得に関する要件を満たす
- 株式を売却したが、課税口座全体で利益が発生していない
確定申告が不要かどうかは、株式の利益だけでなく、給与、年金、副業、不動産など、その年の所得全体によって判定します。
特定口座の源泉徴収ありなら原則申告不要
特定口座の源泉徴収ありでは、証券会社が利益を計算し、税金を天引きします。そのため、同じ口座内だけで納税が完了する場合は、原則として確定申告は不要です。
ただし、次の制度を利用する場合は確定申告が必要です。
- 別の証券会社の口座と損益通算する
- 上場株式の売却損と配当を損益通算する
- 控除しきれない売却損を翌年以後へ繰り越す
- 過去から繰り越した損失を当年の利益から差し引く
給与所得者の20万円以下ルール
勤務先が1か所で年末調整を受けている会社員などは、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要となる場合があります。
この20万円は、株式の売却代金ではなく、取得費や売却手数料を差し引いた後の所得金額です。
注意点
医療費控除や住宅ローン控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の株式所得も原則として申告書へ含めます。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
特定口座と一般口座で申告方法はどう違う?
| 口座 | 損益計算 | 税金の天引き | 確定申告 |
|---|---|---|---|
| 特定口座・源泉徴収あり | 証券会社 | あり | 原則不要 |
| 特定口座・源泉徴収なし | 証券会社 | なし | 利益があれば原則必要 |
| 一般口座 | 本人 | なし | 利益があれば原則必要 |
| NISA口座 | 証券会社 | 原則なし | 原則不要 |
特定口座の源泉徴収なし
証券会社が年間の売却損益を計算し、特定口座年間取引報告書を作成します。ただし、税金は天引きされないため、課税対象となる利益がある場合は原則として本人が申告します。
一般口座
一般口座では、購入価格、購入手数料、売却金額、売却手数料などを本人が確認し、年間の利益を計算します。
複数回に分けて同じ銘柄を購入している場合は、総平均法に準ずる方法など、税務上の取得費の計算が必要です。証券会社の取引履歴、取引報告書、入出金明細などを保存しておくことが重要です。
損失が出た年は申告しなくても税金は発生しませんが、申告しないことで将来の節税機会を失う場合があります。損益通算と3年間の繰越控除を次のページで解説します。


